宵待の日 ー津久井のくらしからー
                                2008・8・3

 昔、神奈川県で金属バットによる殺人事件がありました。その後も五日市の連続殺人事件や神戸の事件、つい最近では秋葉原の無差別殺人事件など痛ましい事件が後をたちません。
 一時期、城山町の有志でこうした痛ましい事件が二度と起こらないよう何回かの会合を行いながら話し合ったことがありました。私たちに今、何ができるか、子供たちは、社会や地域はと熱心な話し合いを重ねました。結論を醸し出すまでには至りませんでしたが今思うと良い経験をしたと有り難く思っています。
 「宵待の日」の企画は?と首を傾げたくなるようなタイトルですが、上記のことを踏まえながら、人々がどんな風にしながら辛いこと、楽しいこと、悲しいこと、哀しいこと、喜ばしいことなどに向き合い生きて来られたのか綴っておきたかったからです。私がそんな思いにかられたのは、相模湖町の沼本と云う地域に行った時からでした。その地域は津久井湖の誕生によって立ち退き廃拠となったところで普段は草に覆われ、年に何回かの満水時のみ水面になるというところです。
 高台から道志川の河原に下りるように崖沿いの道を下ると、突然、覆屋の中に大きな石仏群が見えて来ます。あたりは人影もなく恐ろしいくらいの静けさの中で、木々の奥に太陽に輝いだ草原が見えて来ます。
 「あの草原に人々が暮らしていたのだ。」静まり返った草原と石仏群、ここに人々はとんな暮らしをしていたのだろうか・・・、当時の人々はどこへ行ってしまったのだろう。
 私たちは確かに思い出の中にも暮らしている。結婚、出産、病気そして別れのことなど・・・・、あのころの人たちはどんなふうにしなが ら生きて来られたのだろう。そんな日常の普通のことを綴って見たいと思います。

      結婚
      出産
      子供は風の子
      若いころ
      野良仕事
      養蚕
      山仕事
      おやつ・仕事の合間
      旅は道ずれ世は情け
      寺社めぐり
      豊年万作
      春祭り・秋祭り
      病気
      生きる
      老いる 
      懐かしいはなし
      あの世・この世    
      死での旅路


主な参考資料
生きるということ  水上勉  講談社現代新書  昭和47年11月発行
日本女性史(下)  井上清  三一書房  1955年9月発行    
新版日本女性史  井上清  三一書房  1967年10月発行
ものいわぬ農民  大牟羅良 岩波新書  昭和46年1月 第16刷
村の婦人生活   熊谷元一 新評論社  昭和31年8月発行
日本の精神的風土  飯塚浩二 岩波新書85    昭和44年7月第23刷
心の風物詩   島崎敏樹 岩波新書475  1972年10月 第13刷
日本女性社会史    高群逸枝 眞日本社  昭和22年10月発行
夜這いと近代買春  森栗茂一  明石書店  1995・10発行
日本史小百科遊女  西山松之助  東京堂出版 平成11年6月新装再版
女の眼でみる民俗学   中村ひろ子・倉石あつ子他 高文研  1999年10月 発行
子供の民俗学  飯島吉晴  新曜社 1991年4月 発行
ものと人間の文化史 34 猿  広瀬鎭 法政大学出版局 1979年6月 発行
女 −婚と産− 民俗選書5   石郷千鶴子 秋田文化出版 1993年12月発行
読売新聞 生活ドキュメント 2008・2・6 @〜E   
築井文化四号            
家と女性と民俗誌  村武精一 新曜社   1992・5 発行
日本女性史  脇田晴子・林玲子・永原和子編 吉川弘文館 1987・8 発行
日本女性の歴史 女のはたらき 総合女性史研究会編 平成5年3月 発行
江戸の捨て子たち その肖像 沢山美果子
 吉川弘文館 2008・5 発行
「橋の下の子供」考  佐伯一麦 日本経済新聞 1994・9・4(朝刊)

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