海鳴りの章  tizukosan3..thml

1 . 馬の眸(ひとみ)に湖の彩ある釣鐘草
2 . 神慮いま去る水洟(みずっぱな)をすすりては.
神慮(しんりょ)/神の考え・意向
3 . .土曜日の二匹の猫と沈丁花
4 . ◎旅に出るたんぽぽに触れわが残照  雪の精の No2に
5 . 爪刻む手元より暮れ日本海.
6 . 花吹雪おのれ欺(あざ)く鏡中
7 . .ぼんやりと鳥を聴いてる夏夕べ
8 . 白薔薇の光に溶ける眼の病.
9 . 花椎にふと煩悩の横れり
10 . 坂喘(あえ)ぎ来て星粒は清涼なり.
11 . 芋虫の身を揉むたびに太りゆく
12 . 金粉を落として火蛾の蒼ざめし.
13 . 春の星馬の睫(まつげ)を洗いしか
14 . 寿命と言う語鏡中抜けし冬陽かな.
15 . やんまの眼ぞくぞくと湖より碧し.
16 . 緑陰や講師を嗅ぎて犬去れり
17 . 船箪笥何時か狙(ねら)い蟹高値.
18 . .老僧のミルクキャラメル返り花
初冬の小春日和びよりに咲く季節はずれの花。返り咲きの花。
19 . 木枯にいよいよ赫(あか)き猿の尻
20 . 笛の音の尾を曳(ひ)くねぶた帰る路地
21 . 満を持す鏡絵の鬼闇をぐらり.
春画。鏡台の引出しなどに入れておくところからか、という。  ねぶた
22 . 柊の棘(とげ)矢せてより透きとおる
23 . 枯深む子牛の口のぬめぬめと.
24 . 冬の山じんじん疼(うずく/いたむ)く手は胸に.
25 . 枯蔓や身の箍(たが)ゆるむ酔い少し  P141
26 . 舞うことのかなしみ見せて冬の蝶.
27 . ◎春の塵(ちり)袖の丸みに母がいる
             ↓  撮影 2026年8月11日
  
相模原市相原 華蔵院 六体地蔵(向かって左側) 寛政六甲寅歳七月   
  樋口清之著「帯と化粧」 (2)結びの信仰 p43〜p49
(略)現在のおたいこでさえも結び余りにして後ろに出しています。あれは動くことによって私どもは健康であって、衰えようとする魂が再生産されながら、健康にものをよく判断して生きていけるという信仰が生きている証拠です。これを魂振りの信仰といいます。/昔のひとが夫なら夫、恋人なら恋人が旅に出る時、一心に袖を振ります。なで振るかとうと、こちらが手を振り袖を振り身体の一部を振ることによって、向こうに魂振りの呪力、力によって相手を幸せにしようという信仰からくるものです。ハンカチをさようならと振るのもそれです。/振るということは魂を振ることで、相手を祝福することです。(略)夫婦の愛情は、お互いに下帯を結び合うことによって象徴されました。そういう意味で帯は神聖であり大事な意味を持つわけです。しかも、その帯の端は常にゆれうごうて、魂振りの呪力で幸福を再生産していくという信仰に支えられて、発達して来たということは、日本人の帯びに対する思想の基本として大へん面白いことです。
お袖には魂が込められている。お袖を介し母は活きている。お母さんは生きています。
 向原六地蔵の修復とお地蔵さんの配列と持物の不思議
28 . ◎サフランや絞りて捨てし乳の香よ
◎産声を吸うてきらきら天の川    No44
長男が生まれた時、暫くアトムと呼ぶ保育器の中で命を繋いだ。そして私は長男のベビーにオッパイを運んだ。毎日が祈るような日々であった。病室のベットには「○○ベビー」とあり名前がまだなかった。あわってて名前を付けてあげた。「健康日本晴れ」と、どんな理由があるにせよ命は大切にする。星空は今も輝く。
29 . 冬桜啄(ついば)む鳥に怒れぬ距離
30 . 過ぎ去れば痛み無きごと冬木の瘤(こぶ)
31 . 憂(う)さ晴らすジャンプ春の鴨燦々.
32 . 春潮の音符に揺れて鴎(かもめ)二羽.
33 . 水中にそよぐ春風鯉の鰭(ひれ)
34 . 静電気散る美しき春の闇.
35 . シャンパンに春のさざなみ汝がまなざし.
36 . まなざしに言葉はいらぬ夕河鹿
37 . りす飛んでみどりを散らす母の郷
冬暖か老樹がこぼす小鳥たち  冬薔薇の章 No15より
38 . 桐咲いて旅へいざなう白帆見ゆ
39 . 朴(ほお)ひらく歳月微光となりて過ぎp146より
40 . ほととぎす母死に給う時計鳴る
41 . 懐に海の風入れらっきょ掘る.
42 . 夏期講座へ旅立つ朝のインコの死
43 . 流灯の沖で萌え出すあれは母
44 . ◎産声を吸うてきらきら天の川
サフランや絞りて捨てし乳の香よ  No28より
45 . さそり座なのよ少し毒欲し天の川
46 . 船底に鳥賊触れ合うて彩づきぬ
AIによる概要:鳥賊(いか)/ただし「鳥」ではなく、正しくは「烏(からす)」の字を使った「烏賊」と書きます。海面に死んだふりをして浮いたイカが、食べにきたカラスを逆に捕らえたという中国の古い伝説が、漢字の由来とされています。
47 . 夕月夜声無き声を聴く墓群
48 . 金色の日矢一閃(セン:ひらめく)の秋扇
AI による概要 /日矢一閃(ひやいっせん)」とは、雲の切れ間から太陽の光が矢のように鋭く、一筋パッと射し込む様子を表す俳句の表現や情景のこと。
49 . サタンの罠抜けて青空復活祭
50 . 贋(ニセ)ダイヤ胸を飾りて夕霧忌.
AI による概要 /夕霧忌(ゆうぎりき)は、江戸時代前期に大坂・新町の扇屋で活躍した名妓、夕霧太夫(ゆうぎりたゆう)の忌日であり、冬(晩冬)の俳句の季語
51 . 月に翔ぶむささびしかと足羽山
52 . しがらみや竹は静かに雪に耐え
53 . 雪柳こぼれ女子寮おとこ声
54 . 陽炎(かげろう)を蹴散らかし犬は地下道へ
55 . 言い負けて眼そらせば野火美(かな)し
56 . さくら散る眼を閉じ神に近づけり
57 . 春夕焼けガウンも絹のほのめきに.
AI による概要/ほのめき(仄めき)」とは、物事がほのかに感じられることや、それとなく言葉や態度に表れる様子を意味する日本語の名詞
58 . 石筍の鬱(うつ)のゆらぎに湖五月
AI による概要/石筍(せきじゅん)は、鍾乳洞の床面にできる、たけのこ状の岩石です。天井から落ちる水滴に含まれる炭酸カルシウムが、長い時間をかけて床に積もって上へ向かって成長する。
59 . 紫木蓮修羅のがれ来し髪飾る
60 . 猫二匹車の下に青あらし
61 . 蛇いちご吉祥天の唇(くち)のほころび
62 .. 亀鳴くやあさき夢見し科(とが)いくつ
しな【科】1―を作る (特に女が男に対し)感情をこめて、あだっぽい媚(こ)びるような様子をする。
とが 【咎・科】他人が非難するのももっともな、欠点・過ち、けしからぬ行い。
AI による概要/咎める(とがめる)」とは、相手の悪いところや失敗を責めること、怪しいと思って声をかけること、または自分の良心に対してやましく思う(気が咎める)ことを意味する日本語の動詞です。
63 . 夏雲の居座る父の杉美林
64 . 肩借りて靴の砂振る夏の雲
65 . 海を背に父の晩夏のシルエット.
66 . 朝もやに藤花房の息づかひ
67 . 鬼棲むとはにかむ神父萩盛り
68 . ポケットの鬼灯(ホオズキ)つぶす逢魔ヶ辻

 鬼灯(ほおずき)の触む夜は逢いたくない
 曼珠沙華の章 no45 

AI による概要/「逢魔が辻(おうまがつじ)」は、黄昏時(逢魔時)の魔物に遭遇するような、現世と幽世が交わる不気味な十字路を意味する
逢魔時(おうまがとき): 昼と夜が入れ替わる黄昏時で、不吉なことが起こると信じられていた時間。辻(つじ): 十字路や道の交差点。概念: 災難に遭う、または死者や魔物に出会う場所とされてきた。
69 . 柿活けて障子を破る一景色
70 . 冬薔薇を手折れば一刺むくいらる
71 . 冬陽浴びゴリラは考えるひとです。
72 . 傷ついて匂うかりんよ佛の灯
73 . 霜夜この波が打ち寄す身の熱き
74 . 右ひだり捩(ねじ)っては抜く大根畑
75 . ◎たんぽぽや良寛の書に金縛り   雪の精の章 No2に
76 . スピードを出せば冬音窓に鳴る.
77 . 金鳳華無学の母の夢一字
AI による概要 /金鳳花(きんぽうげ)は、キンポウゲ科キンポウゲ属の野草「ウマノアシガタ」の別名、またはその八重咲きの品種を指します。春から初夏にかけて、光沢のある黄金色の花を咲かせるのが特徴
黄金色の光沢:花びらに金属のような強い光沢があり、太陽の光を受けるとキラキラと輝きます。この様子が黄金色の鳳凰(ほうおう)を連想させることから「金鳳花」と呼ばれる。
78 . 母が碾(ひ)き祖母が結いたる粽(ちまき)かな
79 . 鴛鴦(えんおう/オシドリ)やこの宿のどの部屋も湖
80 . 白ルの君に枯葉いろのマフラー
AI による概要 /白皙(はくせき)とは、肌(皮膚)の色が白いこと、またその様子を意味する言葉。主に、整った顔立ちの男性の色白な肌をほめて「白皙の青年」のように使われます。「皙」の代わりに「白ル」と書かれることもありますが、意味は同じ。
81 .. 桃色の蚯蚓(みみず)跳ね飛ぶ青菜なか
82 . 花虻の惑い障子の破れかな
83 . リハビリのダンス香ぐはし花は葉に
84 . 泥葱を抜く底力母にある.
85 . 亀鳴くや佛に貯金箱ひとつ
86 . 子猿には母しか見えぬ父の日よ
87 ◎遊行忌や封筒に息残りたる
 左は一遍上人第五十二代霊随上人が「南無阿彌陀佛」のお札を入れた箱で、その箱を首に掲げながら、相模、武蔵、甲斐を歩いた。もう十年以上も経つが一向に仕上がらない。私は霊随上人のお人形を作って大麻山に奉納の予定ているがとても恥ずかしい。この箱に名号札を入れて布教した設定でおります。版木も遺っています。この箱を開ける度に墨の匂いが出たと思う。「六十萬人決定往生」、「どうぞ、お受け取り下さい」と、一遍上人の御息が伝わるようだ。   津久井を走る霊随上人


玉崎千鶴子さんの句集より 海鳴り・沙羅の章 tizukosan1.html
玉崎千鶴子さんの句集より 海鳴り・曼珠沙華の章
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玉崎千鶴子さんの句集より 海鳴り・冬薔薇の章  tizukosan.html
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玉崎千鶴子さんの句集より 海鳴り・雪の精の章 tizukosan4.thnl

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