川尻八幡宮参道からの日の出鑑賞時刻について 作成 2011・3・20 追加 2013・2・21 追加 2013・4・4 タウンニュースの記事を追加 相模原市緑区: 向原 今井邦典 川尻八幡宮の鳥居から日の出を眺めると、雨水の日(2月19日頃)と霜降の日(10月24日頃)には、参道の延長線上から陽が昇ることが発見され、この日には多くの人が日の出を鑑賞し、楽しみます。しかし、日の出の時刻は、雨水の日と霜降の日で異なります。雨水の日には6時24分頃に陽が昇るのに、霜降の日には6時前には昇ってしまいます。その差約30分。どうしてこのように異なるのでしょうか?その現象を説明できる観察データを紹介してみます。 観測地:相模原市緑区若葉台 定点観測時間: 図1 日の出の時刻と位置の観察結果(相模原市緑区:若葉台からの観察) 図1は、日の出の時刻と位置を、年間にわたって若葉台から観察した結果を示したものです。雨水の日と霜降の日では、日の出の時刻が30分近く異なっていることがお分かり頂けると思います。 また、夏に向かうときと冬に向かうときとでは、変化の仕方が異なり、データが「8の字」を描いていることが分かります。このような一見不思議な変化は、実は南中時刻(太陽が真南に来る時刻)と密接に関係しています。 図3には、東京での南中時刻(理科年表に掲載されている値)の年間での変化を示してみました。太陽が真南に来る時刻は普通は正午と思われがちですが、実は正午より少し前であり、しかも一定ではなく、年間にわたって約30分も変化していることが分かります。この南中時刻の変化を、図1の日の出の位置に合わせて描き直したのが、図2です。 図1に見られた8の字の変化が、図2にもそっくりと現れています。また、雨水の日と霜降の日との南中時刻のデータ差も29分であり、図1とほぼ一致しています。このことから、図1に見られた「8の字」の変化は、南中時刻の変化によるものと言えるでしょう。(南中時刻が変化するのは、地球が太陽を回る公転軌道が少し楕円になっているためのようです。) このように、「8の字」に変化する現象は、日没にも見られます。興味のある方は、一年間観察してみませんか?太陽の動きの微妙な変化に触れることができますよ。 タウンニュース さがみはら緑区版 No348 2013・4・4号 川尻八幡宮 雨水・霜降の日の出鑑賞会 戻る(ホーム) |