川尻八幡宮・大注連縄(しめなわ)づくり

       強風で鶴岡八幡宮大銀杏倒れる
           (平成22年3月10日早朝)  撮影2010・3・10 15:30
 
 
                                 ↑奉納された大注連縄

        〜伝統を守り伝える城山の人々〜

 注連縄の材料となる稲藁は旧津久井郡の中でも有数な穀倉地帯である広田の田んぼで収穫されました。田んぼの水は龍籠山の一滴から始まります。その一滴がやがて境川となり太平洋に注ぎます。龍籠山は川尻八幡宮の延長上にある御神体山です。私たちはその山や里の恵みを頂きながら暮らしています。
 12月5日、土曜日はあいにくの雨となりましたが翌日の日曜日は気持の良い晴れ日となりました。
 早朝から30人近い氏子が集まり伝統の大注連縄づくりが始まりました。最初は本殿を始めとする3本の大注連縄づくりから始められました。そして、その次、鎌倉鶴岡八幡宮にある大銀杏へ掛ける大注連縄です。兎に角、圧巻と云うべきか・・・・・見応えがありました。
 その勇壮な注連縄づくりの隣でクルリ棒を使った藁打ちや千歯こき等の作業にも出会え、どこか懐かしい風景に接することも出来ました。
                        
                          撮影  2009.12.6

注連縄の原料となった稲藁は広田の田んぼで生産されました。手前の竹は刈り取った稲を干した稲架用具の置き場。










    クルリ棒の衝撃に藁が折れないよう水をかけ弾力性を持たせます。
     藁の袴が取れやすくなるようクルリ棒を使って藁打ち作業が行われました。





藁打ちされ柔らかくなった藁を千歯こきに掛け袴を取り除いてゆきます。


押し切りで縄を切断します。              綱の太さを測るメモリの付いた手製の用具 


   出来上がった注連縄の終端処理、注連縄の綱を叩いたり出過ぎた藁をハサミで切ったり熟練を要する作業を
   長老はひょうひょうとした表情で片付けて行く。


   これも長年の経験からかドリルの置台を改良し麻糸巻きの作業がし易くなるよう巻き直す巻き取り機。
   手前右側の縄は鶴岡八幡宮の大銀杏に掛ける注連縄の芯の部分。
   この芯を張りその廻りが均等となるよう袴の取り外された藁を幾重にも重ねていきます。


藁は交互に、そして少しづつ、むらが出来ないよう重ねていく。藁が外れないよう藁を2・3本束ねで捻じり込ませてゆきます。
綱が均等の太さとなるよう調整を取りながら、先端から麻糸を巻いてゆきます。

 次に化粧用の青色をした藁をその上に巻き付け、再び、麻糸を巻き付けてゆきます。












麻糸を巻く時に「キュ・キュ」と音がする。一本の麻糸は切れることもなく等間隔に巻かれてゆく。




大銀杏に巻かれる注連縄の長さは約12メートル、三本の綱を左巻きに巻き上げると円周は50pにもなる。
巻く時は気合が掛り真剣そのものでした。













                            注連縄の巻きはじめ





出来上がった注連縄を慣らすため、声を出し合い大地を打つ。一見乱暴のような気もしましたが、ようく見ると不思議に形が整えられていました。しつけと云う字は躾と書くそうだ。とうのいた言葉のようにも思いましたが、とても大事なことだと思いました。神様は形として教えて下さった。氏子会の皆様ほんとうにお疲れさまでした。ありがとうございました。

              大注連縄の奉納場所

              鎌倉八幡宮若宮
              鎌倉八幡宮大銀杏他

              川尻八幡宮二ノ鳥居
              川尻八幡宮拝殿
              川尻八幡宮御神木


           川尻八幡宮
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