加藤武雄、犬田卯(しげる)と 「農民」を創刊 作成 2008・9・15 昭和元年(12月25日改元)(1926) 6月、藤森成吉、加藤武雄、木村毅編纂「農民小説集」を刊行。 8月、加藤武雄、「農民文芸の研究」を犬田卯(しげる)と共著で「春陽堂」から刊行。 昭和2年(1927) 10月、農民文芸会の機関雑誌 「農民」、編集者犬田卯・発行者加藤武雄で創刊。 昭和3年(1928) 6月、機関雑誌「農民」が、六月号で突然終刊(通巻9号)となる。
そうして、吉江喬松は記念すべき「フィリップ十三周忌記念講演会」の席上、「大地の声」と題しフィリップ及び農民文芸に関する極めて暗示深い講演をされたのです。 「農民」の発行母体である「農民文芸会」の会員や創刊号に原稿を寄せた人々には様々な、主義主張を持った人々が集まりました。加藤武雄はそのことを熟知してか、「創刊の辞」のなかで「・・・・・・・・私達の集まりがそもそも大同団結であって、各自の個人や思想やに在する小異を問はない一種の自由連合なのである。」と云いきりました。 活動に参加する人々がみなそうであればよいのですが第1次「農民」も分裂を余儀なくされ昭和3年の6月号で前ぶれもなく終刊となってしまいました。加藤武雄は後年「僕は一人で重い荷物を引いて坂道を登っているつもりだった。ところが、途中でふとうしろを振り返ると、荷車に誰も乗っていないじゃないか。これにはがっかりしたね。」と云って嘆きました。 しかし、一瀬豊は加藤武雄の思想を真正面から受け入れ、全ての農民に対し「大同団結」を訴えました。 後年、加藤武雄は結核に病む一瀬豊を山梨県旧上野村の実家に見舞いました。第1次「農民」から既に8年もの歳月が流れていました。 ![]() 「農民」創刊号 第1卷 第1号 10月号 ![]() 「農民」創刊号 第1卷 第1号 昭和2年(1927) 10月号 「創刊の辞」 「農民」創刊号に掲載された農民文芸会の会員(募集以前に於ける会員)
機関雑誌「農民」の変遷
機関雑誌「農民」の執筆者とその作品数
![]() 「農民」創刊号 昭和2年10月発行 奥付 参考資料 郷愁の人 評伝・加藤武雄 著者 安西勝 発行 1978・10 昭和書院 大正文学史 著者 臼井吉見 発行 昭和38年7月 筑摩書房 週刊朝日百科 日本の歴史113 近代U3 財閥・恐慌・社会運動 昭和63年6月 朝日新聞社 犬田卯の思想と文学 ー日本農民文学の光亡ー 著者 安藤義道 発行 1979・7 筑波書林 受難の昭和農民文学 著者 佐賀郁朗 発行 2003・9日本経済評論社 日本農民文学史 著者 犬田卯 発行 1997・1 農山漁村文化協会 文学のこと文学以前のこと 著者 中野重治 発行 昭和22年11月 解放社 ー農民文学の問題 「改造」1931年(昭和6年)5月号ー 加藤武雄と一瀬豊・農民文学の扉 戻る |