きりすとをおもいたい
いっぽんの木のようにおもいたい
ながれのようにおもいたい
ふるさと
ふるさとをおもえども
柿の実のいろのみおもいいだされて
ちちうえもははうえも
あまりにかそけきさぶしさよ
母の顔
お母さんの顔をみたくなった
お母さんの顔を通りぬけると本当の
ことがわかるように思えてならない
心の暗い日に
ふるさとは祭りのように
あかるんでおもはれる
わたしのまちがいだった
わたしのまちがいだった
こうして草に座ればそれがわかる
とうもろこしが風に鳴る
死ねよと鳴る
死ねよとなる
死んでゆこうと思う
心よ
こころよ
では いっておいで
しかし
また もどっておいでね
やっぱり
ここが いいのだに
こころよ
では 行っておいで
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撮影 2004.9.19
虫がないている
いま ないてをかなければ
もうだめだというふうにないている
しぜんと
涙がさそわれる
初案
虫
虫がないている
いま ないてをかなければ
もう だめだ
もう ひまがないといふふうにないている
おのづから
涙をさそわれる

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