八木重吉 茶の花忌

                  平成16年10月26日 午後1時から4時
 今年は八木重吉さんが亡くなわれて77年目になります。この時期はちょうど、白い茶の花が咲くことから、昇天された10月26日を「茶の花忌」と呼んでいます。私は今回始めて式典に参列させて戴きました。
 この日は、あいにくの雨でしたが既にテントも張られ多くの皆さんがお待ちになっておられました。式典は八木重吉記念館の館長でもある八木藤雄さんのご挨拶で始まりました。重吉さんはクリスチャンでしたので墓前では賛美歌が歌われました。
 式典は記念館の庭で行なわれました。式典では重吉さんの詩の紹介や歌の独唱、合唱、詩の朗読、楽器演奏などがあり、その合間には八木家からのご馳走が振るまわれました。
 式典は、八木重吉さんを偲ぶにふさわしい質素で、心暖まる誠実さに満ち溢れていました。
 ありがとうございました。  


   


  
  八木重吉さん77回忌 墓前で賛美歌322番を全員で歌いました。  詩の朗読

  
  NHK「天花」の番組の中で放映された「光遊び」も演奏されました。

  
  テントに溜まった雨水を柄杓で汲み上げている裏方さん 

  
 「茶の花忌」の合間の時間に八木家から郷土料理やお赤飯が振舞われみんなで頂きました。お煮シメには里芋、ニンジン、たけのこ、こんにゃく、さつま揚げ、ちくわや厚揚げなどいっぱい盛り合わされてありました。それにゴボウとニンジンのきんぴら、菜の油炒めなど、それと季節ならではのお料理、「里芋の茎の甘酢漬」はとっても美味しく重吉さんもきっと食べておられたことでしょう。思いがけないお料理に手作りの暖かさを感じました。ご馳走様でした。

  


  
 奈良先生は自ら作曲された「心よ」、「ふるさとの川」、「虫」、「素朴な琴」や「万象」、村松崇継さんが作曲された「光遊び」の歌を独唱して下さいました。
 「光遊び」の曲は、八木重吉さんの「花がふってくると思う」と「光」と云う詩をひとつにした作品で、平成16年5月14日、NHK朝のTV番組の中の「天花」で、初めてサンプラザ中野さんが歌いました。
 手書きの曲「光遊び」の楽譜は作曲者村松さんが直接書かれたもので、原本は八木重吉記念館にご寄贈させて戴きました。   今後この歌が多くの皆様方に親しまれ歌われますことを祈念しております。
                           
    


   


   
    さかい川

   ふるさとの川

   ふるさとの川よ
   ふるさとの川よ
   よい音をたててながれているだろう
   (母上のしろい足をひたすこともあるだろう



              
  


  
 男声合唱団 「お山の大将」のみなさんによる合唱  八木重吉記念館々長の八木藤雄さん

母の顔    藤本健介作曲

お母さんの顔が
みたくなった  
お母さんの顔を   
とおりぬけると 
本当のことが   
わかるように
思えてならない
  
夕焼け   藤本健介作曲

ゆう焼をあび
手をふり
手をふり
胸にはちいさい夢をとぼし
手をにぎり合わせてふりながら
このゆうやけをあぎていたいよ


雨     多田武彦作曲

あめのおとが きこえる
雨がふっていたのだ
あのおとのように
そっと世のために
はたらいていよう
雨があがるように
しずかに死んでゆこう

  


  


  
  雨もいい「茶の花忌」、静かにしていると重吉さんの詩が聞こえて来そうです。 八木重吉さんの墓前


    詩人・八木重吉さんの故郷 
    大正14年 8月「文章倶楽部」8月号に八木重吉の詩、9篇が「緑蔭新唱 新進四家」の中で掲載される。
    重吉さんの年譜
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